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カテゴリー【SPHEREブログ】 16年04月17日

中国 越境ECの税率を変更~行郵税廃止・取引上限額を拡大

◆2016年4月8日より、越境ECよるBtoC取引で従来適用されていた行郵税が廃止され、一般貿易と同様に関税、輸入増値税、消費税が導入されました。
詳細はJETRO「通商弘報」に掲載されていますが、弊社で分かりやすくまとめてみました。

◆今回の税制改正のポイント
・従来適用されてきた行郵税を廃止
・徴収額50元以下の場合の免税措置を廃止
・1回の購買金額上限を1,000元(18,000円)から2,000元(36,000円)まで引き上げる

弊社と関連が深い商品カテゴリーに限って表にまとめると下記の様になります。

160417ChinaTax02.jpg







160417ChinaTax01.jpg





◆予想される影響

<全体>

・客単価の向上
 1回の非関税購買金額上限が拡大されるため

・代理購買ビジネスにブレーキ?
 免税枠内に収まる様に、小口分けして発送するなど、
 脱法的な徴税逃れが出来なくなり、価格メリットが出しづらく、
 新規参入者が減るかもしれません
 とは言え一般貿易で市場に販売される輸入品と比べれば
 まだまだ価格メリットがあります

・直送品の納期遅延・キャンセルの増加?
 課税検査強化による遅配や、
 購買者による税支払拒否によるキャンセルが増える
 可能性があります
 それも制度の周知と運用が進めば減少していくと予想します

・参考画像(出典:解放網)
CustomSample.jpg

















2016年4月8日に上海を訪れた際は、空港出口で税関による全通過旅客のスーツケースX線スキャンを実施していました。

<化粧品>
 販売価格1,800円未満の免税撤廃により、
 プチプラ商品は購買者にとって実質値上げになりますが、
 1,800円以上の商品は実質値下げになるため、
 売れ筋商品が変わってくる可能性があります

<食品>
 販売価格9,000円未満の免税撤廃により、
 多くの商品が購買者にとって実質値上げになりますが、
 増税率は約12%にとどまるので、
 一般貿易で市場に販売される輸入品と比べれば
 まだまだ価格メリットがあります

◆今後の越境EC
今回の税制改訂で中国政府は全ての越境EC流通に課税が可能になりました。
この事は政府が目の届く範囲で海外商品を国内に流通させる仕組みを提供したとも言え、越境ECを公認したと理解する事も出来ます。

※本記事中の金額は1元=18円として表記しています