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カテゴリー【SPHEREブログ】 17年03月27日

インバウンド関係者にオススメ「異文化理解力」エリン・メイヤー著

山口です。最近、エリン・メイヤー著「異文化理解力」という書籍を読みました。


主に海外で働く人や、外国人の上司や部下と仕事をする人に向けて書かれた本の様ですが、日本国内にいてインバウンドで外国人に接する人にも役立ちそうなので、紹介したいと思います。


私はタイトルの印象から学術的な内容なのかな?と思っていましたが、実際に読んでみると外国人と関わる仕事で使えるノウハウ満載の実践本です。事例の数も多く発生する問題への対応方法の助言まで記載されています。


特に役に立つなと感じたのは、「コミュニケーション」「決断」「スケジュール」のほか8つの指標で文化の違いが論じられていて、外国人とビジネスを進めて行くうえで必要な文化的ギャップを理解する事に内容が特化している点です。


また、8つの指標は「カルチャーマップ」として可視化されていて、国・地域の考え方の差がどれ位ひらいているのか目で確かめる事ができます。


例えば日本人と中国人、同じ儒教的な文化背景を持ち、考え方のベースに似た傾向を共有していながら、「スケジューリング」という指標では予定に対する柔軟性は両極端に分布しています。日本人に「中国人はよくドタキャンをする」と不平を言う方が多いですが、これはスケジュールに対する考え方が両者で違う事を理解せずに起きる不幸です。こんな不幸を少なくするノウハウもこの本に載っています。ノウハウだけでなくそのような考え方をする理由にも触れられているので、お互いの違いの理解が進み無用なイライラも減ると思います。


私が初めて中国人と仕事をする事になった10年ほど前にこの本があったらどんなに仕事がスムースに進んだだろうと思います。


オリンピックをひかえ政府の訪日外国人目標が拡大されるなか、外国人と接する人や機会は益々増える事が予想されます。予め文化的な違いを理解して対応して行く事は、無用な行き違いを避け、お互いの信頼を築くのに欠かせないと考えます。インバウンドに関わる方に是非読んでもらいたいと思います。


ibunkabook


異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 エリン・メイヤー